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【ネタバレ】映画「ムーラン(2009年実写版)」感想

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作品分析/感想

【ネタバレ】映画「ムーラン(2009年実写版)」感想

ムーラン

どうもこんにちは!ちぐです。

最近、アマゾンプライムに新しい作品が色々追加されていたので、少しずつ見ています。

この前見たのは映画「ムーラン」。

ディズニーのアニメでもなく、最近製作された実写版でもなく、2009年に製作されたもの。

ディズニーとは全く関係がないようです。

※アマプラでの公開期間は、残念ながら終わってしまいました…!DVDは結構安く売ってるみたいです!

以下、ネタバレありです!

目次

【ムーランってそもそも?】

ディズニーに関係ないムーランとは…?と、最初不思議に思ったのですが、

ムーランって、元々は11世期、北宋時代の漢詩をもとにした作品なんだそうですね。

割合短い漢詩ですが、要約するとこんな感じだそうです↓

*****************

多くの男たちが徴兵される中、ついにムーランの父にも従軍の命が下った。

ムーランには兄もなく、家族には年頃の息子もいない。ムーランは父の代わりに従軍することに決めた。

遠い戦場へ赴き、勇敢な兵士となって10年後に凱旋したムーランは、王に謁見して十二階級特進する。

願いを問われると、ムーランは高い位ではなく、故郷に帰ることを求めた。

ふるさとの両親に迎えられ、鎧を脱いで元の姿に戻ったムーラン。

戦友たちはその姿を見て驚く。

12年間も同行していて、ムーランが女であることを知らなかったのだ。

*****************

とてもシンプル!!

ディズニー版のムーランは、ここにマスコットを登場させたり、ラブロマンスを入れたりして、可愛らしくアレンジしていますが

こちらのムーランはラブロマンスだけでなく、よりリアリスティックに中国の戦場を描き、「厳しい戦場を生きると言うこと」を掘り下げた力強い作品でした。

【感想】

漢詩に則ったシンプルなストーリーラインながらも、とても良い作品でした。。。

上記の通り、中国の戦場が描かれたシビアな作品でした。全体的に鮮やかな色はほとんど使われず、くすんだ甲冑が砂埃に塗れて、荒涼と乾いた時代感や心情が画面からもよく表れています。ただ、次々と展開するストーリー、しっかりとしたアクションシーン、なかには隊列を組んだり、盾と槍を組み合わせて陣形を取ったりと、大人数が動く壮大なシーンもあったので、決してファンシーとは言えない絵面ですが、全く飽きさせませんでした。

ムーランは「これは絶対女ってわかる!!」と思うレベルの男装ですが、強い意志や行動の勇ましさで、最終的にはあまり気にならなくなりました。

軍人としては大躍進を遂げるムーランですが、親しくなった仲間が自分の判断ミスによって亡くなったり、目の前で殺されそうな幼なじみを前に、将軍として他の仲間に助けを禁じなければならなかったりと、その日々は決して順風満帆とは言えません。英雄譚として戦争を扱いつつ、それがいかに残酷に人の命を奪うかを感じさせ、決して戦いを掲揚する内容になっていないのが個人的にはとても良かったです。

そして感動したのがラスト。。。序盤から自分の心の支えになっていた戦友に、互いに思いを通わせながらも和平のため別れを告げるムーラン。。。。。途中、彼が死ぬことだけを恐れて判断ミスをしたムーランを焚きつけて、軍人としてより強い心を持たせようとしたのもまたその戦友でしたが、やっと男女として向き合えたのに、こんな切ない別れになってしまうなんて。。。。。彼女の成長と戦争経験、そして最初から持ち合わせている正義感を思うとこうするしかないのですが、いかにこの戦友を大切に、愛しく思ってきたかを知った末でのこのラストなので、あまりに美しく切なかったです。

二人の間には、別れ際に抱きしめ合う以外に、全くラブシーンはありませんでした。ただ、言葉と心を通わせ合う二人を丁寧に描くことで、深い思い、愛しさが伝わってくる。戦いを描く映画としてだけでなく、ラブロマンスとしても、非常に感動させられる良い映画でした。

あらすじは上記漢詩とほぼ同じなので、今回は起承転結を書いておこうと思います。前に投稿したときに、少女漫画は「起承承転結」にすると良い、と編集部からアドバイスをいただいたので、そのように分けてみました。(ちょうどその分け方が合っていたというのもある)

【起承転結】

(若干うろ覚えなので、間違っていたらすみません…)

[起]剣術の腕利き乙女、父の代わりに従軍する

男たちに混じって剣術を習い、街の中でも利き腕となった田舎町の乙女、ムーラン。フン族の侵攻が迫る中、ついに老いて病気がちな父も徴兵されることになった。父の代わりに出兵を決めたムーランは、「女と知られたら死罪」と言う大きなリスクを背負いながら、戦いに出るのだった。

[承]ムーラン、ウェンタイの助けを得て軍で認められる

ムーランは男臭く野蛮な兵たちの中に入り、同じ街から出兵した幼なじみの協力や、大男に負けない腕っぷしを披露し、少しずつ場になじんでいった。兄弟で従軍するもの、故郷に妻を残して来ているものなど、戦場の仲間を増やしていく中、湯あみ中に仲間の一人であるウェンタイと鉢合わせてしまい、女であることを知られそうになってしまう。なんとか逃げ延びたムーランだったが、直後に隊内で別の問題が発生。隊長の甥が、ものが盗まれたと言うのだ。全員服を脱いで持ち物を改めさせよと言う命令に、女と知れるわけにいかないムーランは「自分がやりました」と嘘の自白をするのだった。ムーランの手には傷があり、ウェンタイはそれを見て、彼女が湯あみ場で見た女性であり、盗みをしていないと察する。敵襲に乗じてウェンタイは幽閉されていたムーランを逃すが、戦う仲間たちを見て、彼女は再び戦場に舞い戻る。ウェンタイの助けもあり、敵将の首を打ったムーランは再び隊に認められ、次々と戦績を残し、ウェンタイと共に階級を上げていくのだった。

[承2]ムーラン、ウェンタイを失い自暴自棄に陥るが、復活する

将軍になったムーランとウェンタイは、良い戦友として戦績を重ねていっていた。ある日、二人の隊が別に行動していたところ、ウェンタイの隊が危ないことを察したムーランは、命令を無視して助けに行ってしまう。その判断のせいで敵襲に遭い、ムーランは入隊当初からの仲間も失ってしまった。しかし、ウェンタイを前にし、何より彼を失うことが怖いと告げるムーラン。ウェンタイは強い彼女を自分が弱くしてしまっていることを察し、彼女の気持ちに動かされながらも、自分より軍を優先するよう冷たく告げるのだった。ムーランが仲間の死と自分の不甲斐なさから悲嘆に暮れる中、ウェンタイは新たな敵襲に立ち向かう。戻ったウェンタイは酷く負傷しており、ついにムーランは、幼なじみからウェンタイの死を告げられるのであった。ウェンタイを失って一時は自暴自棄に陥ったムーランであったが、立ち直った後はさらなる功績を挙げ、逸材の武将となっていく。

[転]フン族との死闘と、ウェンタイとの再会

フン族内でクーデターがあり、残忍な王子が主導権を握ってますます侵攻を進める中、ムーランは自らの隊が囮となり、周りから別部隊が抗戦をかける戦略を提案する。危険な敵の只中でも勇敢に戦うムーランの隊であったが、戦闘中に強烈な砂嵐に巻き込まれてしまう。なんとか生き残ったムーランは、自分の名を呼び、倒れた兵隊の中から探し出そうとするウェンタイを見つける。彼は彼女を強く居させるため、自分の死を偽っていたのだった。幼なじみを含む多くの仲間が敵に囚われる中、満身創痍で目的地へと敵を誘い込んだムーランの隊だったが、一向に味方の抗戦が始まらない。ムーランの隊は見捨てられていたのだった。捕虜となった仲間たちが目の前で殺されそうとする中、これ以上の被害を出さないために、残りの兵に助けるのを禁ずるムーラン。ついに幼なじみが殺されそうになった時、入隊当初からの仲間が敵に向かって走り出すが、彼も無残に殺され、幼なじみも助からなかった。兵糧も衛生兵もなく、あとは自分たちも殺されるのを待つばかりのムーラン隊だったが、彼女は最後まで戦い抜こうと告げ、軍を奮い立たせる。いざ抗戦という時、突然ウェンタイが敵の前に名乗り出る。「私はこの国の第六王子だ。私を捕虜とする代わりに、衛生兵と兵糧を渡し、ここは引け」ムーランの退かない意思を見たウェンタイは、ずっと隠し通して来た自分の身分を明かし、敵の捕虜となることで隊を救ったのだった。

[結]戦争の勝利と、ウェンタイとの別れ

ウェンタイを必ず助けると心に決めたムーランは、傷ついた隊を解散し、一人フン族の元へ向かう。変装して入り込んだ先では、横暴で抗戦的な王と、それに反対し和平を望む妹姫、クーデターで現王に殺された前王に使えていた異邦人がいた。ウェンタイと引き換えに身代金が払われるとの通達があった日、王は三日三晩の大宴会を開く。宴会の喧騒に紛れ、フン族の女に変装したムーランは、妹姫と前王の従者の助けを得て前王に襲いかかり、ついに彼の息の根を止めるのであった。ウェンタイを救い出し、フン族との戦争は終わったが、恒久的な和平を望むなら、フン族の姫と、王子であるウェンタイの結婚が不可欠。ムーランはそれを承知で、フン族の姫と手を取り合ってウェンタイを助けたのだった。王宮へ呼ばれ特進を告げられたムーランは、彼女は自分が女であることを明かし、大将軍になることよりも故郷に帰ることを望む。彼女の戦績から、王はムーランが女であることを咎めず、彼女の望みは受け入れられた。故郷へ凱旋し、国を救った勇者として大きく称えられた後、久しぶりに女として身嗜みを整えたムーラン。居間に戻ると、そこにはウェンタイが居た。遠くへ逃げ延び、二人で暮らそうと告げるウェンタイだったが、ムーランは首を縦に振らない。多くの仲間を戦場で失った彼女は、もうこれ以上戦いを繰り返さないために、最愛の人をも手放す覚悟を既に持っていた。あなたは戦争を止めるなら命をも差し出すと言った。今がその時だ、と伝えるムーランを見て、自分のことは忘れてくれと言うウェンタイ。しかしムーランは告げる。戦場での孤独で恐ろしい夜に、毎晩思い浮かべるのはあなたの顔だった。あなたがいたから、これまで生きてこれたし、これからもずっとそうだ、と。ついに思いを通わせた二人だったが、和平のために、その思いを叶えることなく、それぞれの道へと別れるのであった。

【カタルシス】

・戦争での勝利

・思い人と両思いになること(最終的には結ばれないが)

【見所】

・ムーランとウェンタイのラブストーリー

・ムーランの軍人としての成長

・壮大なアクションと軍隊の動き

・友人の死を以て描かれる戦争の厳しさ

あとですね、ウェンタイが王子様だってわかった時に「王子様と結ばれるなんてご都合ハッピーエンドになるやん!!!」って思ったんですが、王子様だからこそ結ばれなくて、そこもいい意味で裏切られてよかったです。悲しいけど。。。

はい、というわけで2009年版実写映画ムーランの感想(とちょっと分析記録)でした。

是非皆さんにもみて欲しいんだけどな〜どうして終わってしまったのAmazonプライム。。。せめてお金払ったら見れるようにしておいてくれてもいいじゃない。。気になる方はぜひDVDで!(再びのリンク)

ちなみにディズニー版は、Amazonプライムビデオで300円で見れます!懐かしくなった方はぜひ〜。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!!

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