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占いに行ってきた話

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占いに行ってきた話

どうもちぐです。今日の話は本当にただの日記で、絵は関係ないです。

年末年始の帰省から京都へ戻り、前職で良くしてもらった上司にばったり会ったりして幸先がいいなぁと思っていた時。

キャリーケースをゴロゴロしながら家までの通り道の商店街を歩いていると、新春特別企画で「千円占い」が目に入った。

その商店街の片隅には常に占いのブースが出ているのだけど、その日は明るい広間に大きくスペースをとっていて、占い師の人数も多く、何軒か埋まっていていつもより行きやすい雰囲気だった。

そして千円という安さと数分前に感じた「幸先の良さ」が自分の後を押して、よっしゃいっちょ今年の運見てもらおか!という気分になり、久しぶりに占ってもらうことにした。

占い師は5〜6人いたのだけど、誰にするかはすぐ決まった。四柱推命で占ってくれる、若い男性の占い師。

最近は若い男性と話す機会などなかなかないので、ただおしゃべりしたいという下心がなかったかと言われたらあったわけだけど(キャバクラに行くおっさんか)、それよりも占い師というと女性か年配の男性というイメージが強く、今まで見てもらった人もそう言った方々だったので、自分と同年代くらいの男性はどんな風に見てくれるんだろう!とちょっと興味があったのだ。

いや、正確にいうと、「どんな風に見てくれるんだろう」と思いながら、心底では「こんな風に見てくれるだろう」という考えが、実はその時の私にはあったのだと思う。

私はこのくらいの年代の男性に偏見を持っているようで、大体の人たちはスピリチュアルなことを信じる女性をバカにしているという印象がある。何かあれば「論理的じゃない」とか「統計的に見ると」とか「占いで人生を決めるなんてバカ」とか言ってきそう。

もちろんそうでない人もいる。よく考えればスピリチュアルなことが好きとかそれを生業にしている男性も身の回りには居た。前世からの縁があるという恋人と結婚した人とか、水素水とか謎の気?の入ったクエン酸を食べたりしている人とか、先祖代々占い師をやっている人とか、思い返すと女の子より男性の方がそういうディープな人が多かった気もする。

そういう人たちを目の当たりにしてなお、たぶんツイッターの偏った投稿の見過ぎなのか、「若い男性はスピリチュアルをバカにする」というイメージがある。偏見だ。

よくよく考えてみると、むしろスピリチュアルを敬遠しているのは私なのかもしれない。

かつてはそういうものに憧れを持ったものだし、今でもなんとなくいいなとは思うのだけど、「スピリチュアルなことを信じるとヤバい。ハマるな。人生を預けるな」というブレーキ的な考えが私にはある。

多分、ハマると本当に帰ってこれなくなるのがわかっているんだと思う。判断を預けられるものに依存して、自分で考えることを放棄してしまいそうな気がして怖いのだ。

ちなみに友達でスピリチュアルなことをとても深く学んでいて、時々霊視的なことをしてくれる子がいるのだが、それはそれでとてもありがたく受け取っているし、その子がそういう世界を頼りに生きるのも良いと思っている。

人間には精神があるわけだし、精神論で考えるのも一つの道だ。そういう人生に憧れもある。

でも自分はそうはなれないというのが現状だ。

新春の商店街に戻る。

私の選んだ四柱推命の占い師は、スーツにメガネの清潔感のある若い男性。

堅苦しくはないのだけど賢そうな顔つきで、細身で物腰柔らかな人だった。ブースに立ち寄ると感じの良い笑顔で迎えてくれてて、嫌なことは言ってこないかも、とちょっと安心した。

先ほど私はスピリチュアルを揶揄して否定する言葉として「統計的に見ると(おかしい)」という言葉を選んだのだけど、一方で占いの多くは統計だと聞く。四柱推命は特にそういう感じがする。

そんなわけで、「この人どんな風に見てくれるんだろう」と思っていた私は、心の底で「四柱推命は統計だし、普通(?)スピリチュアルに偏らない若い男性だし、なんかフワッとしないことを言ってくれそう!」と思い、この人を選んだのだった。

前置きが長すぎた。

そんなわけで占ってもらった。

まずは生年月日を紙に書き、占い師さんはそれを見て私 のここ数年と、五年ごとの運勢を見てくれた。

何か辞書的なものを参照しながら、それぞれの年に漢字を書いていく。統計っぽい。いい感じ。

途中で「ん〜〜」と悩んだ様子になり、不安になる。なに、悪いの。悪い運勢なの。

そして数分待った後、「よし、始めましょう!」と言って彼は10分タイマーを押した。

どうやら10分千円ということらしい。でも今の調べ物タイムを除いてくれたので、良心的な感じがした。

早速「何について見ますか?」と言われたものの、何も考えていなかったので早速答えにつまる。何しに来たんや。

いろいろ考えて、主に仕事運を見てもらうことにした。

以下うろ覚えの結果。

・一昨年に仕事を辞めたということが、その年はやっていたことが行き詰まって終わる運なのでなるほどなって感じですね

・転職後も普通にうまくいくと思うけど、去年から続けている「やりたいこと」は続けて欲しい。芸術に興味があるタイプで作るのが好きな人。その才能を生かして欲しい

・手相を見ると、感情線が極端に下がっているわけではないので夢見る夢子ちゃんタイプというより論理的に詰めていくのが得意なタイプ。物語を書くならミステリが向いてるかも。

・来年結婚しそう。いい運気

・35歳前後でこれまでやってきたことが結実して、行きたい方向性が定まる

・生命線が短いけど、頭脳線がしっかりしているので休むべき時にちゃんと休めるタイプ。短命を意味するわけではないから安心してね (良かった〜短いの気にしてたから)

・優しい人ですね(そうです私優しいタイプです!って思ったけどさすがに言うのはやめた)

・家族のことと仕事のことで悩んでいるようですね

そんな感じでした。

途中で時間が余ったのか手相を見てくれたのだけど、

「ここに手を乗せてください」と白い扇をさりげなく開いて置かれた時はちょっと素敵な演出だなと思った。この方がよく見えるという、実益も兼ねている雰囲気があるのがまた良い。

いや、実際見やすいのかどうかはわからないし、白い紙でもいいわけだが、扇というのが気が利いている。雰囲気は大事だ。

そんなわけで占いは10分で終了した。10分という字面よりもずっと長く感じられる、楽しく有意義な時間だった。

この占いで何か人生が変わったとか、これを指針にして生きていこうとか、そこまでの気持ちにはならないけど、とても気分良く、いい感じに占ってもらったなと思う。

今回の占い師さんは「ああしろ、こうしろ」「こうしなければ不幸になる」といった言い方をしなかったので、一つの見方として楽しく受け取ることができた。

そしてこの人が私の情報をいろいろ見たり、私の話を聞いたりして、あなたはこんな良いところがありますよ、こんなことで悩んでて大変ですね、と、言ってもらったのがとても嬉しかった。

この人は、今この時は私を見てくれていて、私が良い方向に進むための言葉を紡いでくれてるんだなというのが伝わってきたというか。

別にそう言われたからといって自分が変わるわけでも何かが解決されるわけでもないのだが、ただ千円で心地よい体験ができたなと思う。

前に友達が霊視してくれた時も同じことを思った。

友達が本当に霊を見ているのかどうかはわからないし、私にとってはどっちでも良いんだけど

でもその子が私のために「霊を見て」くれて、私を元気付けるために言葉を尽くしてくれたことが、とても嬉しかった。

今回の占い師さんは本当にこの十数分間だけの付き合いだったけど、とても真摯に見てくれたと思う。

良い占い師さんだった。

時々こうやって、自分の深いところについて真摯に向き合ってくれる他人と話すのも良い体験だなと思う。

要するにただ人と話すだけだ。でも友達じゃない。知らない人だから、その人の話をフラットに聞いて受け入れられるんだと思う。

(友達と話すのは、それはそれでありがたいし嬉しい時間だけどね)

「いつもはどこでやってるんですか?」と言ってその占い師さんの名刺をもらってしまい、また行きたい気持ちもややあるわけだが、やはり夢子ちゃんになりきれない私は「いや行き始めたら絶対抜けられないから、やめとけ」と心の中で思い、ミステリ小説を読むのでした。

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